蛍光強度を知る
リアルタイムPCRは、特定の波長を入射することで、特定の波長が蛍光に光ることを(励起)を使って、検出を行っている
SYBR GREENってのが、インターカレーター法でよく使われる色素ですが、これは励起波長が青、蛍光波長がGREENとついているので緑に光ります。よくわからないのですが、SYBR Greenが光ると困ると思うんです。なぜなら入れたSYBR GREENが全量光ってしまうと問題なのです。インターカーレーターではDNAの2重らせんの間に色素が入って、DNAにエネルギーを与える波長が、SYBR Greenにエネルギーを渡して光ってくれないとどんだけ増えたのかがわからないと思うのですが、、、いかんせん物理は苦手で、、、。famを使ったプローブ法と同じ波長セットでdetectできるらしいので、できるんだろうと思っています。。。違ったら誰か教えてください
小生、高校の頃は生物・化学を選択していたので、物理の知識は皆無です。V=IRぐらいの中学レベルです
まあまあ原理の話は、結果が出ればいいのよってことで
この蛍光波長がどの程度あるのかをきっちり測れるのがリアルタイムPCRには必要なわけです
今のリアルタイムPCRはCMOSカメラで検出するのが多い気がする。cmosだとフォトトランジスタのような個体差を考えずに誤差はほぼでない、1プレート分のデータがすぐに取れちゃうから楽そう
でも大掛かりになるし、バンドパスフィルタが必須になるかと思います
今回はフォトトランジスタを使った方法でやります。NINJA qPCRもそうだしね。トランジスタのやり方はいくつかの現行機種でも採用されています
フォトトランジスタはざっくり私の知識では
光を当てると電気を通す=光度により抵抗が変わると認識しています
実際、フォトトランジスタで分圧抵抗使って以前やったことあるのですが、、、
まあ、数値はほぼ変わりませんねほぼ誤差
当たり前だよね、微量な光の変化なんだから
オペアンプで増幅とかいろいろ考えたんですが、、、
電流ー電圧変換回路なるものとネットの海で出会いました。吸光度とかフォトトランジスタとかの微量な光のうんちゃらかんちゃら。。。。これですね!!!!
オペアンプを使ってどうやら微量な電流の変化を増幅して電圧に変換できるようです
今回使うフォトトランジスタは
- メーカー名:新日本無線
- 型番:NJL7502L
- 目的となる波長が500〜520nmで最大70〜90%の効率
- 蛍光だから相当微妙なluxなんでしょう炎で10luxらしいので、1〜5μAのrangeを計測することになりそう。。。こんなんできるのか
オペアンプの勉強して次の記事で
サブPC作成
最近、リアルタイムPCRの機器を作る構想で、ラズペリーパイを使うことになってPythonのプログラミングを行う必要が出てきました
そしてPythonのプログラムをブラウザ制御したいため、djangoを使う必要が出てきて、Linux環境を整えることになりました。SEじゃないからすごーくざっくり
CPU:core i5 10400 (内蔵グラフィック)
M/B:H470 PRO4(AS ROCK)
Memory:16GB(Team 32000mhz)
HDD:M.2 500GB(キングストン)
OS:Ubuntu 20.04.3 LTS
PC本体(CPUファン、グリス、電源、ケースも含めて)63kぐらい
がスペックですが、
普通にメインがRyzen5 2600で16GBでwindows10よりサクサク動いて快適です。さすがlinuxさん
ターミナルでコマンドで動かせるのは、マウスを動かす必要がなくかなり便利でした
openCVでの画像処理をwindowsで行っていたけど、アナコンダ入れたり、コマンドが受け付けない、エラー多発もあってlinux導入に踏み切りました
肺の写真もかなり溜まってるから、openCVでスコアリングを行ってバチバチ仕事しないといけなくなりました
肺のお仕事は肺の肉眼所見+組織所見+病原体+体重で何か関係を見出すもので、農家さんの生産性を上げるためせっせとデータ取り続けます
きれいなニクズク肝(豚)があったので貼っときます
脂肪肝(白い部分)とうっ血肝(暗赤色)のやつですね
リアルタイムPCRを作る計画
LAMP計画が途中で投げちゃってました。カラーセンサーとか購入したんですがね、計画を練るためネットの海をカヌーでさまよっておりましたら、、、
リアルタイムPCRを作っておられる偉大な方々がオープンソースで公開しておりました!!!!
ってなわけで今度こそリアルタイムPCRを作ろう計画^^
細菌、AGC
dual-channelにしたいなと思ってたけどそもそも金ないからインターカレート法でしか検出せんわ!!
まずはね、singleでできないことを高望みしてはいけないわけです。
温度を上下させて、熱解離、アニーリング、伸長のstepを30~50回程度繰り返す。伸長の時に、LEDを照射、蛍光の強度検出を行う流れです
とりあえず、ninjaqPCRとplosoneに投稿されていたものを参考に、ラズパイに制御、検出、解析までを組み込みたいかなと
ninja qPCRにブロックの3Dデータがあったので、ミスミの受託サービスでオーダー中
今後何回に分けて、温度制御、検出、解析まで進めていきたいと思います
できれば5Vで動いたらいいけどな
遺伝子解析の基礎
DNAシークエンシングは遺伝子を扱う際、避けては通れませんね
DNAの塩基配列解読はサンガー、ギルバート等により1970年代に確立されて、異なった蛍光色素を用いることでATGCを標識することでキャピラリー電気泳動によって塩基を1つずつ決定することができるようになった。今でもこの方法は遺伝子の塩基配列を決定するためにめちゃくちゃ使われてます。大学時代はABI310使って、調子よければ600bp読めるレベルでした。これを使って、1990年代にヒトゲノム計画がされるようになったわけですよ。30憶ドルという巨額をかけて、10数年越しで人のゲノム(遺伝子の塩基配列)を決定してすごーいってなって数年後、、、
pyroシークエンスなる次世代シークエンサーが出ます。ここら辺から原理が理解できません。
その後illuminaがSeqシリーズを出し、数100Mbを30万程度で読めるようになった気がします。その後Hi-seqとかいろいろ出して1日で10Gbくらいになったのかな
illuminaも買収とかしてバイオ関連ではとんでもなく大きな会社になりました。ABIはThermoグループに入ったり技術革新とともに会社もいろいろ変わったと実感します。
2015年以降さらに次世代シークエンサーは原理も変わりながら多様なシークエンサーが出てきます。イオンを使ったりしたやつですね
ここでOxford nanopore社がぶっちぎりに次世代シークエンサーを安価に提供してきます。
本体価格1000ドル。それまでは機械は6000万、解析料が20万程度でしたが、Oxford nanoporeのMinION(ミナイオン)はそのサイズが手のひらサイズでPCにつないでオンサイトで解析できるようになりました。
更に日本ジェネティクスが4月からGenap Sysという次世代シークエンサーをおよそ200万円で取り扱うようになり、今後100ドルで次世代シークエンサーをとなるみたいで、飛躍的に遺伝子分野は進展しています
1977年にサンガー法ができDNAシークエンシングはまだ半世紀もたたぬうちに数時間で4Gb以上の情報をDNAから抜き取れるようになったこの技術革新のすごさに驚いとりますということでDNAシークエンシングの歴史をすごーく簡単に説明
これらの開発者の発想力、いい意味でぶっ飛んでます。
リベンジ研究助成
大変、ご無沙汰です
令和1年の10月に笹川研究助成の申請をしていて、3月に60万円の支給が決定され、初めて自分で使える研究費をゲットしました
内容は論文的にまだ公表できませんが、M. bovisの病原性を明らかにして予防への応用をできたらいいな見たいな感じです
コロナの影響と仕事とかこまごましたその他の研究で予定より遅れています。死にそうです。PCRしたいときに限ってサーマルサイクラーが埋まっている・・・
中間報告が9月なので本気出さねばいけないです。といってもシークエンスは外注で信頼のFASMACにプライマーと精製DNA送れば400検体ぐらいなら1週間で捌いてくれるのでさっさと精製して送ります
LAMP装置作成 part2
part1で作った結果
シリコンゴムなので熱通しませんでしたー
そして、吸光度はPCRチューブを通した光だけを計測しないとほぼ光量がかわらず測定不能でした!!
精度上げてつくろうかなーと思った矢先
PCRでphが低下する論文を発見、そして、カラーチェンジLAMPも論文出てました!!
カラーチェンジLAMPならいけそう!!
ってなわけで
LAMP装置は恒温装置だけで行けそうというのが結論
とりあえず、当分忙しいので、
7㎜のアルミパイプの内径をローターで削ってヒートブロック作成もちょこちょこしながらできたらうpします
さてさてカラーチェンジLAMPですが
phが中性域で変化する(8.8→7.4ぐらいの変化がLAMPではあるみたい)
フェノールレッド(黄色ー8.6ー赤色)
メタクレゾールレッド(黄色ー8.8-紫)を購入ー
他にもクレゾールレッドとかも行ける
なのですが・・・一般的なreaction buffferにはTrisが入ってます
Trisは緩衝能あるので、色の変化が顕著にでるように、Trisなしでbufffer作ればおk
dNTPsはかなり酸性になっているので、調整なしでやると黄色の試薬ができます
これをKOHでめんどくさいのでフェノールレッドが入った状態で、赤-橙まで滴定してLAMPを実施してみました
こんな感じで変わりました!!成功ーー
左から(原液、x10希釈、x100希釈、x100000希釈、x10000希釈、x1000希釈、NC、NC)
4-6間違えて入れてるのに後で気づいて、写真見たら確かにx100000希釈が一番赤い!
こんだけ変わるなら一目でわかるしスクリーニングには十分!!
でも実際にこれにたどり着くまで実は論文通りやったつもりが、いろいろミスがあったりで200検体ぐらいLAMPやってますww
pH指示薬は結構安いし、蛍光検出より安価だしいいものです!!
にしても、発表前の抄録提出とか締め切りぎりぎりまでやらない癖なんとかせねば・・・発表前の吐きそうになるぐらい考察で行き詰るのを乗り越えるのが嫌いでないのはMなのかな・・・
LAMP装置作成 part1
かねてより計画していた等温増幅吸光度測定器の計画です
吸光度計部
光源-青色LED(570nm)
フォトトランジスタ(NJL7302L-F3)
こんな感じで0.2mlチューブを温めながら吸光度を測る計画
フォトトランジスタは照度と抵抗が反比例するらしいので、めんどくさいから、Arduinoでアナログ入力して、電圧を測定。
吸光度(Abs)の求め方は
Abs = log(透過前の光の強さ/透過した光の強さ)らしいです。
オームの法則で電圧は抵抗に反比例するので、、、電圧が光の強さに比例するはず!
最初にBlankを入れて、透過前の光の強さとして記憶させておいて、
反応しながらリアルタイムに定期的に測定して上の式を使ってAbsを求めて、グラフを作ればよろしいのではないかと思います。
LEDは拡散するし。。。レーザーがいいのかな、でも出力高いとフォトトランジスタ壊れそうだし、、、やってみて検討します
これに伴い、ヒートブロックは透明な素材でなければならない
アルミブロック高いし、金属加工できないし、、、熱伝導が良く、透明となると・・・
シリコンがいるじゃないか!!
熱伝導率はアルミには及ばないけど、63℃の等温だし、そんなに高い必要もない
180℃ぐらいまでは余裕で行けるらしいし、Amazonでも買えるってことでブロックはシリコン製
あとは、等温装置、、、PI制御でArduinoでヒータを63℃±0.5℃に制御できました。グラフ載せようと思ったけど汚いし、ヒータが特殊できれいなPIにならなかったので、消してしまい、お見せできません、、、
ArduinoのPMW制御でヒータの制御してます。フォトリレーは高いのでスイッチはトランジスタでしました(笑)よくわからないけどトランジスタスイッチで十分±0.5℃キープできれば良きかなと思ったり
ヒータは80℃までしか上がらないやつにしました。プログラムのバグがあっても火災にならないよう保険です
NPNトランジスタ(2SC2655L)
PTC ヒータ(80℃)
と、とりあえずは、基礎はできました。後はケース(遮光)と25µLと微量な測定なので、チューブヘッドを100℃に保つヒータをつけたら完成です。
ちなみに、8連チューブの装置なので、、同時にフォトトランジスタ8個のアナログ入力プラス温度の入力1なので、
Arduino MEGA2560(社外)を使いました。ラズパイでとも考えたのですが、ラズパイの場合、ADコンバータが必要なので回避しました!
Arduino MEGA ¥1150
PTCヒータ ¥619
シリコン ¥4990
ユニバーサル基盤5種 35枚 ¥1330
DC12V10A電源 ¥1100
緑色LED 20個 ¥200
フォトトランジスタ 10個 ¥450
トランジスタ 10個 ¥100
サーミスタ 1個 ¥70
シリコンなければ5019円!!!安い!!!安すぎる!!