LAMP
PCRは2~3つの温度ステップを繰り返して目的遺伝子を増やす技術。
LAMPは特殊なBst DNA Polymeraseを使うことで、PCRのような温度ステップがなくても、目的遺伝子を複製することができる技術
LAMPは10-45分程度で結果が出る迅速診断が可能な遺伝子検出技術なのです。
これを使って、農場で検体を取って速攻で診断しようじゃないかと考えてます。
でも、栄研が商用特許取っていますので、LAMPの機器は公式には数社だけから出ているのみ、さらにこのマシーンはくそ高い(180万円以上)のです!!
60-65℃を保ちながらリアルタイムに吸光度を測定する機械にそんなお金は払いたくない!というか払えません。
なので
ないなら作ってしまえばいいじゃないか!!ということでとりあえず
ポータブル恒温吸光度計を作ろうと思います。
まず構想としては
恒温部
吸光度
恒温部はとりあえずヒーターをArduinoかRaspberry Piで温度を取りながら、PID制御で保てるらしいです
吸光度は、LEDを光源として、フォトトランジスタで照度を測って吸光度に変換すればいいのではないか
と思ってます。
Arduino¥2000
Raspberry Pi¥4000
LED x100 ¥500-800
フォトトランジスタ x10 ¥500
あとはヒーターをどうするかとか1万ちょいでできればOKってことで今後つくっていきまーす
Mycoplasma bovis
Mycoplasma bovisが属するMycoplasma科(グラム陰性)の特徴に、種特異的、人工培地で発育可能な最小真正細菌、細胞壁を欠くなどいろんな特徴があります。
真正細菌で最小であり、0.3µm程度の細菌です。赤血球が8µm、細菌が数µmであるのを考えるとかなり小さいです。光学顕微鏡でも観察は不可能です。一応ギムザ染色やビクトリアブルー・ゲンチアナバイオレット(クリスタルバイオレット)で染まると書いてあって、染めるのですが、言われたら小さいのいるかもって思いますが、見えません。
なおかつゲノムも大腸菌から比べるとかなり小さい
故に、代謝系を一部欠いており、宿主細胞の代謝系をお借りするというちゃっかりした細菌であり、培養するときも培地に血清や酵母抽出液等結構な栄養要求性の細菌です。一般的にはPPLO培地、Hayflick培地、NK培地(関東化学の商品名)で分離、増菌を行います。血液寒天培地には生えないが通説ですが、日水さんの血液寒天培地に実は生えます(保証はしないですが、今のところ生えてこない株はいません)。血液寒天培地に生えると1㎜以下の小さな弱いβ溶血(αではありません)のコロニーを示します。この理由として、過酸化水素産生により血液が分解されていると思ってます。この時、特徴的な目玉焼き状の中心部が陥没したコロニーは見えません。BD、極東化学等の血液寒天培地には生えないのは確認しています。この会社が悪い!とかじゃないので、一般細菌はもちろん生えますのでご安心を!
さらに培養時間がまあかかる方です。初代株は3日はかかる印象です。もちろん菌量によっては5日とかかかるやつもいます。培養はカビとの戦いです。カビに何度菌を侵食され、痛い目を見たことか。。原因は手技なんだろうな、何度も起きてないか開けてしまっている等たくさんの心当たりはあります。安定して培養するのに1年かかりました!!
この細菌は牛に対しては、乳房炎や気管支肺炎、関節炎、中耳炎等に関与していることが報告されています。ですが、何が悪さをしてこのようになるかはいまだに謎です。Mycoplasma mycoydesとかでは毒素があるとされています。しかし、M. bovisは過酸化水素による細胞障害もすこしはありますが多くは細胞自体は元気そうです。でも免疫が活発になることで免疫細胞とM. bovisの死骸がたくさん積もって物理的に障害や、免疫細胞の過剰な反応による自己免疫疾患のような病態になっているのが原因かなと思っています。
とまあM. bovisとはこんな細菌で、とっつきにくいですが謎の多い細菌で調べることには困らなさそうな細菌です
お金の話
研究するにはお金がかかります。
PCRは試薬によりますが、1検体当たり60円から
シークエンスは1検体400円から
マイクロアレイ解析は20万円以上等々お金がかかります。
現在、大学院生なので、先生方に頼めばある程度はやれるのですが、その先、研究者として生きていくには研究費を当てることが必要になる(偉そうに言ってるけど先生に頼んでます)
ってなわけで、お金を調達する練習を大学院生時代にして、研究者として生きていくためのお勉強をします。
自分みたいに獣医だけを対象にしてる研究助成はないです。ってなわけで、「自分の研究が最終的には、畜産をより良いものにする」と拡大解釈して、自然科学や畜産に関与する研究なら増えるのでそちらで応募しようと思います。
下のリンクは助成金を調べるためのサイトになります。
ここでポチポチ、数か月おきに検索して、狙える助成金を検索
現在、1件申請中
2件 申請予定?
今後の研究も考えるとなんとしても当てたいところ
どういう内容書いたら当たるのか外れるのかまだわからないので結果出たら、ご紹介したいと思います
研究者を目指す
研究にはテーマが必要ってことで、自分のテーマの決め方をニーズはないですが、ご紹介
大学では、獣医領域の感染症の微生物の人獣共通感染症の細菌の病原性遺伝子と疫学をやっとりました。
ってなことで、対象は細菌、そして、その遺伝子を用いる研究なら、ゼロから始めるわけでもないからいいかなと思い、これに決定!
細菌も世の中には星の数ほど居て、病原性、特徴などなど違うわけで、さらに細菌種を決定する必要があります。これについては、職場でたまたま症例集まったので、Mycoplasma に決定!
この細菌はまあまあメジャーだし、そこまでメジャーすぎる訳でもなく、ライバルも少ないし、知名度もまあまああるので。。。
実際、臨床では結構メジャーで、厄介な病原体で、社会的ニーズもあり、研究対象としては、不足なし
ってなわけで、Mycoplasma の研究を始めるわけですが、次にこの研究のゴールを決めなくてはなりません
ゴールはもちろん「畜産現場でのMycoplasma の根絶」
何をしたらMycoplasma が無くなるのか
健康な動物もMycoplasma を持ってます。でも、実際にはそれらが悪さをしていないから健康なわけで、いるから病気になるような強毒な菌でもない。ってなわけで、細菌以外にも宿主の方も併せて分析をしないといけません。
宿主の免疫と病原体の侵襲性は切っても切れない関係だから、免疫も研究分野に必要になります。
遺伝子だけでは、実際にはわからないので、タンパク質も研究分野に組み込む必要がありますね。。。
Mycoplasma を研究対象に選んだのはそんなに大きな意味はないってことです。たまたま、Mycoplasma が身近であったことだけです。そういうことなので、今後対象の細菌が他の種の菌になることもあるわけですが、、、正直Mycoplasma の基礎知識をつけるのに数年かかってるので、乗り換えするのは相当にしんどいですのでしないと思いますが・・・
でも、Mycoplasma だけでは心配なので、現在、鶏大腸菌症も少しだけしており、これが二兎追うものはうんちゃらなんちゃらにならないよう頑張っていきます。
最後にこれらの研究のお金も考えなくては、、、